リリイ・シュシュのすべてを観た
ずっと気になっていたけどいろんな口コミに勇気がなかなかでなかった作品。
”鬱映画”なんて言われているらしいけど、私的には思っていたよりは全然平気だった。
市原隼人は今でこそムキムキのイメージしかないけど、この作品ではあどけなくて驚いた。冒頭の田園の中でリリイ・シュシュを聞くシーンでは、広々とした田園でこじんまりと一人音楽を聴いていて儚さも感じた。その他の俳優さんたちも、なんか見たことある顔......な人たちが続々と出てきて、しかもみんな今より若いから新鮮な気持ちになった。
冒頭から流れる掲示板のシーンは映画で初めて見た。その他にも光の使い方が印象的で
幻想的な気持ちになった。溺れる側の視点も印象に残った。
いじめ、援助交際、万引きで、とてもじゃないけどきれいな映画だった♪と言える話ではないけれど、映像に加えてリリイの歌声にピアノの音も綺麗で内容の重さを調和してくれていた気がする。
空を飛んでいるカイトの広大な空気に対して逃げられないほど窮屈な思いをしながら援助交際を続けている津田は真反対で、皮肉のようだった。これも冒頭の田園のシーンと同じで対比なのかなの思った。
星野と蓮見は文面では共通の趣味を通して通じ合えているのに、実際の世界でも過去には仲良くやっていたのに、今ではいじめっこのボスとそれに従うしかできない人という関係性なのがやり切れない気持ちで、少しでも何かが違えば主従関係ではなく対等に友達でいたかもしれないと思うと胸が痛む。
好きな音楽は誰に否定されてもずっと大切にしていきたいし、一度好きになった音楽ってそう簡単には嫌いになれないよなとも思った。
鑑賞後にいろんな人の感想を観てたら、津田の持っている大量のストラップがついた携帯が蒼井優の私物というのを目にして公開時の時代を感じた。
また見返したい映画